「Salve Regina(サルヴェ・レジーナ、元后、あわれみの母)」の絵が完成しました。
"Salve, Regina, mater misericordiae; vita, dulcedo et spes nostra, salve. Ad te clamamus, exsules filii Hevae. Ad te suspiramus, gementes et flentes in hac lacrimarum valle. Eia ergo, advocata nostra, illos tuos misericordes oculos ad nos converte. Et Iesum, benedictum fructum ventris tui, nobis post hoc exsilium ostende. O clemens, o pia, o dulcis Virgo Maria."
「めでたし元后、あわれみ深き御母、われらの命、慰め、望みよ、めでたし、われら、さすらいのエワの子ら御身に向かいて呼ばわり、御身に向かいて泣き叫ぶ。この涙の谷にて、いざわれらの代願者よ、憐れみの御目にてわれらを顧み給え。また御胎内の祝せられた御子イエズスをこのさすらいの後われらに示し給え。おお、寛容、おお、仁慈、おお、甘美なるおとめマリアよ。 」
聖母はマントを広げて人々を迎えていますが、これはヨーロッパの絵画では有名な「ミゼリコルディア(慈しみ)」というポーズ。まさに「Mater Misericordie(あわれみの御母)」の姿を表しています。また冠をかぶっていることで、「女王」であることも示しています。マントの色は青。青は天の恵みを示す色。服の白は純潔や処女性を表しています。
谷間で跪き、嘆き祈っているのは、ご想像の通りアダムとエヴァ。蛇に誘惑され、罪を犯し、恵みを失い楽園を追われたときから、人類の放浪の生活が始まりました。ですから、二人を人類の象徴とし、アダムは旅する杖を持ち、エヴァは犯した罪を悔いています。二人の服が茶色いのは、悔悛を表しているのと同時に、土の色とほぼ同じなので、人は土から造られたことも表しています。真ん中に立つのは楽園にあった命の木です。