そういえば、昨年6月に描いた絵をご紹介してませんでした。
普段絵を描くときは、色鉛筆を何度も重ね塗りしながら緻密な絵を描くのですが、今回、はじめてアクリル絵具を使いました。これが難しい、難しい!!
絵のタイトルは、「Ave Maria」。
まさに「めでたし」の祈りそのものを表したものです。イコンに影響を受けて聖画を描いてみたいと思ったのだけど、テーマはオリジナル。インスピレーションをいただいたので描いてみました。しぐさや色すべてに意味があります。
イコン画の影響としては、デフォルメされた体ですね。写実的に美しい聖母を描くこともできるのだけど、写実的すぎると、外面の美しさばかり強調されて、内面の美しさに心が向かないので、イコンのようにデフォルメされた絵にしてみました。お気づきの通り、縦長な体をしています。これは、天に向かう姿を表しています。
それでは、細かい部分を説明していきます。
まず、聖母は三角形をしていますね。これは、三位一体と一致していることを表したものです。背景は金。溢れんばかりの神の威光と恩寵に包まれていることを表しています。まさに、「めでたし聖寵みちみてるマリア、主、御身とともにまします。」です。ちなみに、聖母の目は常に神の方に向いています。そして、聖母の目は、子どもの目なのです。なぜならば、子どものようでなければ、天の国に入れないから。
次に、聖母が妊娠した姿であることがお分かりですか?「御身は女のうちにて祝せられ、ご胎内の御子イエズスも祝せられたもう。」だからです。母性を象徴するとともに、聖母とイエズスは一体であること、聖母はいつもイエズスを運んできてくださること、そして、聖母がおられるところにはイエズスもおられることを表しています。白い衣は、聖母の処女性、無条件の愛や謙虚さ、シンプルさを表しています。
同時に、聖母は青いマントをはおっています。これは、「天の女王」であることを示しています。「天主の御母、聖マリア」の部分で、女王としての威厳も表現しています。
聖母の手に注目してください。ひとつの手は胸にあてられ、もう片方の手は招くようにひろげられています。胸にあてられた手は、祈り、特に観想を表しています。聖書にもある通り、聖母は起こった出来事をいつも記憶して思いめぐらせていたからです。もう片方の手は、人々を招き受け入れるために、外に向かってひろげられています。招くと同時に、胎内のイエズスを示しているのです。そして、その手は祝福を与える形になっています。また、目はしっかり神の方に固定されつつも、体は前のめりです。これは、人々の祈りに耳を傾けると同時に、人々の方に向かってかがみ、すぐにでも助けにいこうとしていることを表しています。「恵みの母」としての姿です。「罪人なる我らのために、今も臨終のときも祈りたまえ。」の部分にあたります。
もう一度描き直してみたいなー。(実は、下書きはもう一バージョンあります。)
あと、うれしいニュースがひとつ!
すでにご存知かもしれませんが、「天使祝詞」の口語版が改定になるようです。より聖書の内容に忠実な祈りの文句になっていて、ボクはとてもうれしい限り!!3月25日まで意見を募っているようですので、ぜひ皆さん、カトリック中央審議会にメールしましょー!
アヴェ・マリア、恵みに満ちた方、主はあなたとともにおられます。あなたは女のうちで祝福され、ご胎内の御子イエスも祝福されています。神の母聖マリア、罪深いわたしたちのために、今も死を迎えるときも祈ってください。アーメン。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/news/20101208.pdf